神秘の洞窟探検!久米島の鍾乳洞「ヤジヤーガマ」とは?
目次
神秘的スポット!久米島の鍾乳洞『ヤジヤーガマ』とは?
久米島の地中で展開される地下鍾乳洞、ヤジヤーガマをご存知でしょうか?
ヤジヤーガマは、久米島の田園風景が広がる景色を進んでいると、突如見えてくる洞窟です。
その洞窟の中へと足を踏み入れれば、自然のパワーに圧倒されつつも神秘的な世界に浸れるアドベンチャーワールドが待っています!
はじめは暗闇が少し怖く感じられるかもしれませんが、その先へ進むと見られる光景はまさに圧巻そのものです。
そんな久米島屈指の神秘的な洞窟、ヤジヤーガマの魅力をご紹介してまいります。
鍾乳洞「ヤジヤーガマ」への行き方
はじめにヤジヤーガマへ行く方法を、久米島空港やイーフビーチエリアの繁華街を出発地として、ご説明いたします。
ヤジヤーガマへは久米島空港から車で北東に進み、約10分程度で着きます。
また、イーフビーチエリア・繁華街からは車で県道を進み20分から25分程度の距離です。
陸移動なので車やバイクがあれば個人でももちろん行くことはできますが、現地ツアーを利用するとよりスムーズに行けるでしょう。
なお、現地に着くと地下へと続く木道があり、その道を歩いて進みながら、大きな洞窟を目指します。
先程までの穏やかな田園の風景とは打って変わって、静けさのある神秘的な雰囲気漂う洞窟の入り口に辿り着くでしょう。
鍾乳洞「ヤジヤーガマ」の歴史
ヤジヤーガマは、久米島や沖縄の歴史的に見ても、非常に貴重な洞窟といわれています。
洞窟やその周辺では貝塚時代につくられ使用されていた土器や、グスク時代の貝製品、炭化米、食器、須恵器なども出土しています。
また、この洞窟はかつて海にまでつながっていたとのことです。
さらに、戦時中には防空壕として使われていたので、戦火を逃れるために多くの人々が洞窟内に逃げ込んでいたという歴史もあります。
つまり、この洞窟は自然だけでなく、久米島の歴史も凝縮された貴重なスポットなのです。
鍾乳洞「ヤジヤーガマ」の見どころ・特徴
ヤジヤーガマはすでに入り口からして独特な雰囲気で、その先に見える暗い洞窟には冒険心をくすぐられることでしょう。
洞窟自体はおおよそ800mの長さがあり、中は鍾乳洞としてきちんと発達しています。
また、その鍾乳洞の中は道が整備されていますが、天井から伸びる鍾乳石は自然そのままに、またライトアップもされていないので、真っ暗な中を慎重に進んでいかなければなりません。
そうした、自然をそのままに生かしつつ過度に人の手が加えられていない鍾乳洞である点が、ヤジヤーガマの大きな見所です。
なお、久米島町では、観光協会が提供する島の学校体験プログラムの一環として、この洞窟探検に参加することもできます。
壮大な自然と神秘的な雰囲気を味わえる
ヤジヤーガマの中は、太陽の光などは一切届かないアンダーグラウンドな世界が広がっています。
狭い入り口からは一本道が続きますが、進むにつれて狭いスペースと、広いスペースが交互に現れるのも特徴です。
そんな道を懐中電灯で照らしながら進んでいると、まずは鍾乳石が目につくでしょう。
特に狭いスペースでは、琉球石灰岩でできた柱がいくつもあるため、その景観に驚くこと間違いありません。
さらに何万年もの間に天井から長く伸びすぎて地面と一体化してしまっている鍾乳石も見られ、粘り強い自然のパワーを感じさせてくれるでしょう。
そして、天井をライトで照らすと、宝石のように輝いている水滴と苔の反射や鍾乳石が生成されている過程も見られます。
このように、真っ暗な世界だからこそ感動もひとしおの神秘的な世界を味わえるでしょう。
貴重な生き物に出会える
もちろん洞窟自体が素晴らしく見応えのあるヤジヤーガマですが、その洞窟内に生息している生き物を探すのも楽しみの一つです。
たとえば洞窟内では、絶滅危惧種にも指定されているという、オキナワコキクガシラコウモリや、鍾乳石の上を歩いているクメカマドウマ、ヘビにも似ているクメトカゲモドキ、フナムシのような見た目のクメジマミズフナムシなどを確認することができるでしょう。
なお、この鍾乳洞ではそれほど大きい食物連鎖の環境が存在しないため、実はこうした生物を容易に見かけることは少ないです。
しかし、突然目の前に現れることもあるため、虫やコウモリが苦手な人は要注意ですが、あえてそうした貴重な生き物たちを探して、冒険気分を盛り上げてみるのも良いでしょう。
琉球時代の風習の名残を感じられる
かつてこのヤジヤーガマは田畑や海の間に位置しており、さらに雨風も凌げる好立地・高地形だったことから、人々の生活地として利用されていたといいます。
そのため、当時食べられていた貝の貝殻などが今でも洞窟内にそのまま転がっています。
また、近代になると、墓地として使われていたころもあり、戦争時代には防空壕としても使用されていました。
ヤジヤーガマはただ自然の中で成り立ってきただけでなく、この地に住む人々の暮らしとともにあり続けたのです。
そして、さらに特筆すべきなのは、その洞窟内で見られる人骨です。
古くから琉球地方では、人が亡くなると魂を海の聖地、ニライカナイへと還すために、遺体を雨風にさらすことで自然消滅させるといった風葬が行われていました。
そのため、墓地としても使用されたことのあるこのヤジヤーガマには、今でも、かつて風葬されたと思われる人骨が転がっているのです。
外はリゾートアイランドの雰囲気が漂う久米島ですが、そんなイメージを覆すような暗く神秘的なアンダーグラウンドが、ヤジヤーガマにはあります。
久米島の鍾乳洞『ヤジヤーガマ』で観られる鍾乳石
ヤジヤーガマで見られる鍾乳石の多くは、石灰成分を含む水が水滴として天井から落ちたり、壁から湧き出たりしてくる際に蒸発し、石灰成分のみが残って固まったものです。
ここからは、そんなヤジヤーガマの貴重で美しい鍾乳石の特徴についてご紹介いたします。
つらら石
つらら石は、つらら状の石で天井から垂れ下がっているもので、多く見られます。
それぞれ長さはバラバラですが、約2cmの長さになるまでにも2500年も、かかるというので驚きです。
また、普通の石との大きな違いは体積が非常に大きいことで、重たいものでは1トン以上のものもあると推測されています。
石筍
天井や壁にさまざまな鍾乳石を見つけながら洞窟内を歩いていると、石筍と呼ばれる筍のような形の鍾乳石が見つかります。
これは、床に落ちた水分の中の石灰成分が長い年月をかけ堆積したもので、床面をデコボコに形作っているのが、非常に歪で不思議な光景です。
方解石
懐中電灯のライトを当てると、キラキラとした水晶のように光り輝く鍾乳石を見つけることもできます。
それはまるで、ホタルが飛んでいるかのようにも見える、幻想的な光景です。
これは方解石と呼ばれる鉱物であり、結晶となった鉱物が光を反射し輝いているといわれています。
方解石を見つけたら、その美しさに思わずうっとりとして足を止めてしまうかもしれません。
洞窟探検で注意すること
ヤジヤーガマでの洞窟探検では、安全や自然保護のために注意しておかなければならないこともあります。
現に、入口付近にある看板には、通路の滑りやすさ、自然環境を保護するための心がけ、事故や損傷に気をつけることを促す注意事項が書かれています。
以下では、洞窟内で注意すべき点について詳しくご説明いたしますので、ぜひチェックしておいてください。
遊歩道・ライトアップがない
ヤジヤーガマ鍾乳洞の中は、基本的にはライトアップや遊歩道もなく、真っ暗な道です。
洞穴入り口からは階段を降りて地下に行きますが、当然、進めば進むほどに入り口の光が遠のき暗さが増していきます。
そのため、中を観察したり歩いたりするためには、強力な光の懐中電灯が必須です。
スマートフォンのライトや小さな懐中電灯ではとても足りないので、必ずハイパワーで光を発する懐中電灯を選ぶようにしましょう。
また、道はあるものの遊歩道のように整備はされておらず、鍾乳石につまずいたり接触したりする可能性もありますので、軽装で行くことは避けて、準備万全で探索に出かけてください。
頭上の鍾乳石に注意
全長80m続く洞窟の天井には、つらら石などの鍾乳石が垂れ下がっている所も多々あります。
一つ一つ大きさは違えど、長いものや体積の大きいものもあるので、くれぐれも頭をぶつけないように注意して歩きましょう。
生き物の大事な棲家を大切にする
鍾乳洞の暗闇の中に住む生物達にとって、ヤジヤーガマは重要な棲家です。
たとえば、洞窟内で見られるとされるオキナワコキクガシラコウモリは、かつては1000匹以上いたといいますが、1980年代以降はたったの10数匹程度、またリュウキュウユビナガコウモリは3匹しかいなくなりました。
特にオキナワコキクガシラコウモリやクメトカゲモドキは日本固有亜種であり、絶滅危惧IB類 やIA類としてRDB(レッドデータブック)にも指定されている大変希少な生物です。
ここにしか生息していない生物達が、より繁殖していつまでも暮らしていけるように、そっと見守りながら観察しましょう。
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まとめ
沖縄最高峰の美しさを誇る球美の島と呼ばれる久米島にて、リゾート気分だけではなく冒険気分も味わえる、ヤジヤーガマの世界についてご紹介いたしました。
知られざる地下洞窟の世界を探索することで、これまで知らなかった久米島の歴史背景を探ることもできるかもしれません。
「もっとディープな久米島に触れてみたい!」という方は、ぜひともこの大自然がつくりだした奇跡の鍾乳洞、ヤジヤーガマへ探検に行ってみませんか?
暗闇だけではない、なんとも不思議で神秘的な景色が皆様を待っているでしょう。